医学

頭蓋内圧亢進時に腰椎穿刺はなぜ禁忌なのか(髄液減って内圧低下しそう)

こんにちは。woodstockです。

今回はなぜ腰椎穿刺が頭蓋内圧亢進時に禁忌なのかについて書いていこうと思います。

疑問点

頭蓋内圧はおおよそ脳実質+脳血流量+髄液量で規定されます。

つまり髄液量が少なくなれば頭蓋内圧は下がるということになります。

そうすると、頭蓋内圧亢進時に腰椎穿刺をすることで、髄液を出して頭蓋内圧を下げることは一見なんの問題もないように思えます。ではなぜ禁忌となっているのでしょうか?

結論

実は腰椎穿刺を行うと脳圧は下がるのですが、この下がることが原因で脳ヘルニアが起こる可能性があるため禁忌となっています。

高い圧がかかっている状態で腰椎穿刺を行うと、脳から腰椎にかけて急激な髄液の流れが生まれます。

ここで唐突にちくわ(穴が中心管、脳室)を脳脊髄に例え、ロープを髄液に例えたいと思います。想像力を働かせてください

そうすると、頭蓋内圧亢進時の腰椎穿刺は、ちくわ(脳脊髄)にロープ(髄液)を入れて引っ張るイメージで、ロープを引き抜くのと反対側のちくわ(脳)が力方向に引っ張られると思います。これが脳ヘルニアです。

ご存知の通り、ヘルニアは最終的に延髄を圧迫し、呼吸を止めてしまう大変危険な病態です。なので上記の行為(ちくわロープ)は禁忌となっているわけです。

まとめ

今回はふと

「頭蓋内圧亢進時に腰椎穿刺をすると、髄液を出して頭蓋内圧を下げるはずなのになんで禁忌なんだ?」

と思ったので、同じことを考えた人の助けになればなと思って記事をしたためました。

ではまた